インタビュー
先輩の声
- 暮林 響さん
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南山中学校 男子部(1993年卒業)
南山高校 男子部(1996年卒業)
南山大学(2003年卒業)
南山大学大学院(2005年修了)
カトリック教会、宗教法人神言修道会 - 教会の青年たちの居場所づくりと活性化、カトリック学校での宗教の授業や練成会の同伴、少年院における徳性の教育など、司祭として様々な活動をしています。
話をまとめるのも、何かを伝えるのも。
中高合同だったブラスバンド部での経験が原点です。
私はカトリック教会の司祭として、さまざまな場所で“神の愛を伝える”活動しています。司祭になることは中学生のころから考えていましたが、いま信徒の皆さんをまとめたり、手話や語学を学んだり、人になにかを伝えようとすることは全て、私立中学・高校合同で活動していたブラスバンド部での経験が原点になっています。
私がブラスバンド部に入部したのは高校1年生の終わり頃で、指揮者として入って欲しいと言われたからです。頼まれて指揮者になったものの、突然入部した私が指揮棒を振ることに対して不満やとまどいを抱える後輩もおり、どう打ち解けていくかが大きな課題でした。このとき思い出したのは、校内にある教会の院長とのやりとりです。以前、私が相談事をしにいったら、ほとんど相手の人生相談で終わったことがありました。単純に驚いたのもありますが、自分の想いを伝えるだけでなく相手の話を聞く大切さを実感した、強く印象に残る出来事です。このとき、「相手の立場にかかわらず、その人の悩みに向き合えるようになりたい」と心に決めたこともあり、強く反発する後輩に連絡を取って想いを伝え合い、少しずつ打ち解けていくことが出来ました。そのおかげか、高校卒業のとき、ブラスバンド部からの寄せ書きにひとこと「暗→明」と書いてくれた後輩がいて、ぐっとくるものがありました。一人一人と向き合い、ブラスバンドの指揮でみんなをまとめた経験は、司祭の仕事にも大いに役立っています。今思えば、クラスの居心地がよくて自分らしく自由でいられたこと、学校が安心できる場所だったからこそ、頑張れたのかもしれません。
私は受験のとき、母から「落ちてもともと、受かったら“もうけもの”」と思って気楽になさいと言われていました。これから私立中学への入学を考える方も、「すべて、いただきもの」という感覚で、気楽に物事を進めてみてはいかがでしょうか。